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現役英語教師に聞く① 子どもが英語好きになるきっかけ、嫌いになるきっかけ

ICTイングリッシュラボ浜松では、スクール独自のメソッドに基づいた指導をするのと同時に、外部リソースも積極的に取り入れています。例えば、学校現場で働く現役の先生の意見をヒアリングし、それを元に子どもたちの学校でのパフォーマンスもサポートできる体制を作りたいと考えています。

今回は、日頃から当スクールの活動に協力してくださっている中学・高校英語教師のShodai先生にお話を伺いました。スクール運営からは見えてこない、教育現場で大勢の指導をしているからこそ分かる先生の目線から、お話ししていただきます。

まずはShodai先生の経歴、そして英語が好きになれるかなれないかの差について聞いてみました。


なぜ先生になったのか 〜「英語が好き」のきっかけ〜

こんにちは。私の名前はShodaiです。浜松市内の私立中・高等学校に勤務している英語教師です。

今回から「ICTイングリッシュラボ浜松」さんのブログに教育現場に立つものの目線で英語教育について連載をさせていただくことになりました。よろしくお願い致します。

初回の今回は、自己紹介も兼ねながら私の経歴から先生になった理由と、実際に先生になってどうなのかということをお話しさせていただきます。また、その中に「英語が好き」になった生徒が英語好きになったきっかけもあわせて書いていこうと思います。お子様を「英語好き」にさせたいと思う方のヒントになればという思いで今回は執筆します。

経歴

静岡県浜松市で生まれ、高校までは浜松に住んでいました。高校卒業後すぐハワイに渡り、ハワイ大学を第二言語習得学専攻で卒業しました。ハワイ大学卒業後、帰国。大阪教育大学の大学院で英語教育専攻で修士号を習得する傍ら、教員免許を取得しました。その後、現在の学校に勤務して10年目を迎えました。

私自身が英語を好きになったきっかけ

中学生のときには、すでに英語が好きだった記憶があります。おそらく、学校で学ぶ英語を理解できていたからだと思います。その「わかる」に至るまでには、英語を「見る」機会がたくさんあったことが要因に挙げられると考えています。英語を「見る」機会とは、英会話教室や塾に通ったりしたこと、旅行などに連れて行ってもらったことなどが記憶にあります。こう書くと、お金がかかることが多いように思いますが、当時はそこまでしないと英語を「見る」機会を得ることが難しかったのかもしれません。

英語を「見る」機会に恵まれていたこと、そしてもう一つは帰国子女の友達との出会いがあります。中学校時代に帰国子女の友達がいたのですが、同じように中学生なのにすごく上手で流ちょうな英語を外国人の先生と会話しているのを見ました。彼らを見て「かっこいいな」「あんな風になりたいな」と思いました。そう思ってからは、なんとなく努力をして英語の力をつけていきましたし、英語を使っている人を憧れのように見ていました。2002年のワールドカップの際に日本代表の監督だったフィリップ・トルシエさんの通訳のフローラン・ダバディさん(フランスの方です)が、日本が敗退したときに涙しているシーンを見て、こんなアツイ通訳者になりたいと思ったこともありました。世界中を駆け回るパイロットになってみたいと思ったこともありました。このように、英語を「見る」というのが私を英語好きにさせたきっかけだったのかもしれません。

なぜ教員になろうと思ったのか

「英語を使って、相手に伝わると楽しい」「思い切って話せば通じる」「思ったより簡単」という気持ちをより多くの日本人に伝えたいと思ったことがきっかけです。それをするためにはどうすればよいのかと考えたときに、子どもたちに伝えるのが一番だと感じました。子どもたちに伝える方法として、教員になることで毎年伝える人の数が増え、さらに私の思いを受け取った生徒たちが、いつかまた別の人に伝えてくれるといいなと思ったのがきっかけでした。


現場で見る英語が好きな生徒が英語好きのきっかけ

英語が好きな生徒は、英語ができるという生徒が多いです。これは実力の話ではありません。もちろん、実力があって英語が好きな生徒もいますが、実力があっても英語が嫌いな生徒もいます。一番は「自分は英語ができる」と思い込んでいることが重要だと思います。

元々は英語が好きではなくても後になって好きになった生徒もいます。そうした生徒は私が何気なく言った英語の楽しい話を拾っていったりします。海外の俳優やスポーツ選手への憧れから英語に引き込まれていった生徒もよくみます。私の学校には海外研修がありますが、それをきっかけに英語に火がつくケースもしばしばあります。

いずれもに共通しているのは、英語に対する良いイメージを獲得していることです。これを誰かに押し付けられる形ではなく、自分で見つけているということが大事なんだろうなと思います。お子様を英語好きにさせたいのであれば、英語を使ったり英語に触れたりしたポジティブな経験を自然な形で持っていったり、「英語ができるんだ」と思わせることが大切です。

無理やり塾に通わせる、無理やり英語の動画を見させる、無理やり外国の方と会話させるということで、英語を好きになる可能性もあるとは思いますが、拒否感があった場合には逆効果を生んでしまう可能性もあるように考えています。

昨今の教育現場では「成功体験を与える」ことが言われています。これは学生時代にも言われましたし、教員対象の研修会に参加した時にもよく言われることです。ただ、大切なのは「成功体験を自分で得た」と思うことが大切だと感じています。

現場で見る英語が嫌いな生徒の英語嫌いのきっかけ

英語が嫌いな生徒の、そのきっかけを一言で言えば「失敗」でしょう。

私は英語は失敗の連続だと考えていて、授業では「失敗から学ぶ」ということを徹底的に伝えています。

ここでの「失敗体験」とは、「ある経験をネガティブに捉えたこと」だと考えます。

テストで点数が取れなかった・英語が伝わらなかった・発音を直された・わからない。だから、つまらない・怖い・恥ずかしいと思うことが失敗体験です。テストで点数が取れなかった、だからもっとやりたくなったのであれば、ネガティブなきっかけとはなっていません。同じ体験をしてもプラスに捉える人もいればマイナスに捉える人もいます。その時はマイナスだったとしても後になってプラスに転じることで、その時のマイナスが消えるパターンも存在すると思います。大切なのはお子様の性格や経験値などにあわせた機会を与えることでしょう。

(次回に続く)


いかがだったでしょうか。

ICTイングリッシュラボ浜松では、学校の英語とは違う、自由で楽しい英語学習環境を提供しています。ですが、多くの親御さんにとってお子様の学校でのパフォーマンスは重要課題の一つだと思います。

ただただ楽しいだけではなく、学校英語にも対応できるアカデミックな英語力の育成を、学校関係者の声も取り入れながら実践しています。

Shodai先生には引き続きスクールへのアドバイジング、そしてブログ記事の連載という形で協力いただきます。

次回の記事もお楽しみに。

B!

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